昨日、読解力を伸ばすためには、ただただ本を読むのではなく、思考しながら読むことが大切だという記事を書きました。
この記事を書いた後、ベネッセ教育総合研究所がまとめた、「読解力」と読書指導との関係を示したレポートを読みました。
ベネッセの調査は、
「読解力」は読書の量が増えても頭打ちになる傾向があり、子供たちの読書指導に改善の余地がうかがえる
と結論づけています。
今回の記事では、ベネッセ教育総合研究所の調査結果を紹介すると共に、読解力と読書量の関係、フィンランドの教育について書きます。
読書量と「読解力」との関係
ベネッセ教育総合研究所が、「読解力」のスコア(偏差値)と「直近の1ヶ月」の読書量(0ー15冊以上)の関係を調べたところ、
「読解力」が読書の量が増えても伸びず、 1 ヶ月に 4 ~ 5 冊程度のところで頭打ちになっている
ことがわかりました。
さらに、読書指導を受けた経験の有無と「読解力」との関係を調べてみたところ、読書量は増えても「読解力」は頭打ちという傾向はあるものの、読書指導の経験がある子供は、どの読書量の段階 でも「読解力」スコアが高くなっていることがわかりました。
この場合の「読書指導」とは、「読んだ本や調べた資料を要約 したり、自分の意見を書いたり発表したりする」こと、及び「教科書や読んだ本の文章を、根拠や理 由を示しながら批評し合う」ことです。
ただひたすら読書をするのではなく、読解力を高めるには読書指導が必要だというわけです。
昨日の記事で紹介した、読書ジャーナルでは、本に対しての意見を根拠を示しながら述べる必要があり、ベネッセがいうところの「読書指導」と通ずるものがあります。
フィンランドの教育
ベネッセのレポートには、国立教育政策研究所の有元秀文総括研究官が、PI SAの結果をもとに、 読書時間と「読解力」の関係について分析した結果にも触れていました。
日本の子どもは、読書時間が多くなっても「読解力」は頭打ちになっているのに対し、フィンランドの子供は、読書時間が多 くなるほど「読解力」の成績が高まる関係があるとのことでした。
この違いは教育の差でしょうね。
きっとフィンランドでは、読解力を高める読書指導がしっかり行われているのでしょう。
私は、フィンランドの、詰め込み式ではない、「発想力」「考える力」を養わせる教育に魅力を感じており、フィンランドの教育を紹介する動画や本を見たり、読んだりするのが好きです。
下の動画では、フィンランドの学校の授業や、家庭での読み聞かせの様子を見ることができます。
ある家庭では、読み聞かせの際に、お母さんが何度も子供達に質問をしていました。
どれも「なぜ」で始まる質問でした。
思考力を高める質問ですね。
子どもの学力イチバンの国 / フィンランドの教育 投稿者 JKzappa
また、下の本は、16歳の高校生のフィンランド留学記です。
フィンランドの高校の制度、とにかく思考する学校生活、暗記が効かない試験などについて書いてあります。
今回この記事を書くにあたって、上で紹介した動画と本に久しぶりに目を通したのですが、やっぱりフィンランドの教育は良いなぁと改めて思いました。
読書日記
最後に、フィンランド式の読書日記を紹介します。
昨日の記事では、読書ジャーナルの書き方を紹介しましたが、調べてみたところ、フィンランド式の読書日記というものが販売されているようです。