大学時代、イギリスの詩人スペンサーの詩を読んで以来、テムズ川に対して美しいイメージを持っています。
1596年に書かれた、Prothalamion という結婚を祝う詩では、
● 美しい花で覆われている草地で囲まれているテムズ川
● 川沿いでニンフ達がスミレ、ヒナギク、ユリ、サクラソウ、赤いバラなどの花を摘んでいる様子
● 見たこともないような美しい白鳥2羽がテムズ川を泳いでいる風景
が描かれています。
そして、各スタンザ(節)は、
Sweet Thames, run softly, till I end my song.
という文で終わっています。
私はこの ”Sweet Thames, run softly, till I end my song.”のセリフが大好きで、時々家族と話している時に引用していたのですが、その度に夫からは、「あの川汚いよ」と、長男からは「生物学的に死んでいる川だよ」と言われました。
そして、実際ロンドンに引っ越してきて、テムズ川をみてみると、茶色くて汚い・・・。
スペンサーの時代のテムズ川のイメージは全くありません。
それでも、テムズ川をみていると心が落ち着きます。
川沿いを散歩するのは楽しく、時々川沿いのベンチに座りゆっくりテムズ川を眺めたりしています。
テムズ川は、1957年に生物学的な死を宣言されましたが、鳥をよくみかけるので今はもう復活しているのでしょうね。
川沿いを散歩する人、ジョギングする人、ベンチにぼーっと座って川を眺めている人。
とても美しいとはいえない川ですが、そんな人達にとっては今でもSweet Thames なんだろうなぁと思います。
Sweet Thames, run softly !
Prothalamionの詩は下のサイトで読めます。
Poetry Foundationという上のサイトは 詩を集めたサイトで、帰国子女受験(中学)の詩の問題の対策にもおすすめですよ!
実際、広尾学園の国際性入試で出題された詩もこのサイトに掲載されています。