本日、6月21日は夏至でしたね。
一年で一番日が長い日、ということで心がウキウキしました。
朝から用事をすました後、ランチに出かけ、カフェで読書、そして映画鑑賞と、「一年で一番日が長い日」を楽しみました。
カフェでの読書は「華麗なるギャツビー」を。
原文 vs 翻訳文
「華麗なるギャツビー」では、夏至の話題がでてきます。
幻冬舎plus編集長の竹村優子さんは、「華麗なるギャツビー」でいちばん印象深いセリフとして、デイジーの
「ねえ、夏至ってずっと心待ちにしてるのに、毎年いつのまにか終わってると思わない?」(野崎孝訳)
というセリフをあげていました。
このセリフを夏至になるたびに思い出すそうです。
実は、私もこのセリフがとても印象に残りました。
上のデイジーのセリフですが、原文では、次のように書かれています。
“In two weeks it’ll be the longest day in the year.”
”Do you always watch for the longest day of the year and then miss it? I always watch for the longest day in the year and then miss it.”
直訳すると、
「後2週間で、一年で一番で最も日が長い日ね。」
「いつも一年で最も長い日を待ち続けて、そしてそれを見逃してしまわない? 私はいつも一年で最も長い日を待ち続けて、そしてそれを見逃すの。」
という感じでしょうか。
原文のニュアンス
原文のデイジーの台詞は、同じ表現が繰り返されています。
イメージとしては、小泉構文(進次郎構文)のような、意味のない繰り返し表現です。
これは、デイジーのちょっとおバカなところ(またはそう演じているところ)を表しているのだろうなぁと思いました。
(彼女は、「女の子は可愛いいおバカさん 」でいることが一番幸せだと言っています。)
でも、翻訳バージョンでは、可愛らしいセリフとなっていますが、おバカさはあまり感じられません。
村上春樹訳では、
「あと二週間で、一年で一番昼間の長い日が来るって言うのに。」
「ねえ、夏至の日ってずっと心待ちにしているのに毎年何時の間にか終わってると思わない? 私はいつも夏至の日のことを覚えておかなくちゃと思うんだけど気が付いたらもう過ぎちゃってるのよ」
となっています。
こちらも、繰り返しの表現を別の表現に言い換えているので、バカっぽい印象は受けません。
やはり、原文を読んだ方が、作者の意図が読み取れますね。
でも、ハルキ風の華麗なるギャッツビーも読んでみたいものです。
ちなみに、次男は今村上春樹作品の英語訳バージョンを読んでいるそうです。
彼の文体がどのように英語に訳されているのか気になります。