同じような環境で同じように英語を学んでも、皆が同じように英語を習得する訳ではありません。
英語習得には個人差があると言われています。
その個人差を生み出すものを学習者要因と言います。
今日はその学習者要因のうちの一つである「ラーニングスタイル(学習スタイル)」について書きます。
ラーニングスタイルとは?
ラーニングスタイルの分類の仕方はいろいろありますが、
目で見ることで学ぶ Visual learners、
聞くことで学ぶ Aural learners、
体を動かしながら学ぶ Kinaesthetic learners
の3つでの分類が一般的です。
あなたは読む人間?それとも聞く人間?
オーストリア生まれの経済学者・経営思想家ドラッカーは、人間には「読んで理解する」タイプと、「聞いて理解する」タイプがいると言いました。
これもラーニングスタイルの分類の一つですね。
最初に知っておくべきことは、読んで理解する人間か、聞いて理解する人間か、ということである。
ところが、世のなかには、読んで理解する「読み手」と、聞いて理解する「聞き手」がいるということ、しかも両方である者はほとんどいないということを知らない人が多い。
みずからがそのいずれであるかを認識している人はさらに少ない。
そして、これを知らないことは大きな弊害をもたらす。
参考図書:
ドラッカーはいくつかの例を紹介しています。
まず連合国欧州最高司令官を務め、後に米国大統領になったアイゼンハワー。
最高司令官時代の彼の記者会見での対応の素晴らしさは広く知れわたっていました。
しかし、10年後にアメリカ大統領となった時には、逆に酷評されるようになったのです。
質問に答えられず、関係のないことを延々と話し、間違った文法で英語を汚しているとさえ評されました。
連合国司令官時代には会見の前に広報担当者が記者の質問を事前に書いて渡していたため、質問の全てを掌握していました。
彼の失敗は、自分が「読み手」であって「聞き手」ではないことを自覚していなかったために起きたのです。
一方、ケネディは、周りに最高の書き手を集め、問題の検討の前には、必ず書いたものを要求していたそうです。
彼は自分が「読む人間」だということを知っていたのでしょう。
英語学習とラーニングスタイル
我が家の子供達のラーニングスタイルについてお話しすると、長男は「読む人間」、次男は「聞く人間」です。
英語を学び始めた初期の頃は、長男は視覚教材を、次男は聴覚教材を好む傾向がありました。
同じ兄弟でも、学びのスタイルは違い、英語習得には違うアプローチを用いました。
お子さんのラーニングスタイルあった方法で、英語の学習に取り組むことにより、よりストレスのないバイリンガル育児ができると思います。