子供をバイリンガルに育てる際に、読書は大きな役割を果たします。
我が家の子供達は二人ともバイリンガルですが、読書が好きで、日本に帰国後も英語の本をよく読んでいました。
特に、7歳でアメリカから帰国した次男が、その後日本の公立小学校に通い、日本語中心の生活を送りながらも、英語力を伸ばす事ができた一番の理由は読書の習慣があったからだと思います。
読書に関しては、私は基本的に子供の好きな本を読ませる方針です。
我が家の子供達は、自分で選んだ本を読んでいました。
ただ、子供達のリーディングレベルがまだ低い時期は、レベルにあった本選びを大切にしていました。
子供のレベルにあった本をどうやって選べば良いかわからない・・・とお悩みの方も多いかと思います。
今回の記事では、アメリカの小学校でのレベル毎のリーディング指導を参考にしながら、レベルにあった本の選び方についてお伝えします。
また読書が好きになる環境作りについても書きたいと思います。
アメリカの小学校のリーディング教育
我が家の子供達は、それぞれ3歳、5歳の時に渡米し、5歳の頃からアメリカの現地校(キンダー)に通い始めました。
キンダーは1年生の1つ前の学年で、日本で言えば年長さんに当たる年です。
アメリカの小学校では、キンダーのころからリーディングの勉強が始まります。
まずはリーディングの基礎となるフォニックスを学び、その後1ページ1文程度の簡単な絵本を読む練習をはじめました。
毎日、宿題として絵本を家に持ち帰り、読む練習をしていました。
1年生になると、リーディング指導はもっと本格化します。
まず学年の始めにレベル分けのテストをし、そのレベルにそったリーディンググループを作ります。
1グループは2~4人程度です。
リーディングレッスンはグループごとにそのグループのレベルにあった本を使って行われます。
そしてレベルにあった本を持ち帰って、その本を読むのが宿題となります。
(レベル分けは コチラ を参照)
同じレベルの子と一緒に学び、自分のレベルに合った宿題を持ち帰ることで、効果的にリーディング力を伸ばすことができます。
レベルに合った本を選ぶ方法
レベルに合った本を選ぶ方法ですが、うちの子供達が通っていた現地校でやっていた方法を紹介します。
まず子どもに本を読ませ(1ページほど)、エラー(間違い)の単語数をカウントします。
初めて読む本のほうが正確に評価できます。
そしてAccuracy rate(正解率)を計算します。
Acuuracy rate (正解率)=(総単語数ー間違った単語数)÷ 総単語数 × 100
となります。
Accuracy rate(正解率)が
95%-100% : easy enough for independent reading
(一人で読めるレベル)
90%-94% : instructional level for use in leveled reading session
(指導を受けながら読むレベル)
89% and below : too difficult and will frustrate the reader
(難しすぎてストレスを感じるレベル)
という評価になります。
SCORING AND ANALYZING A RUNNING RECORDより
わからない単語が多い本(Accuracy rateが89%以下の本)は、子どもにフラストレーションを与える可能性が高くなってしまいます。
自分一人で読めるレベルの本を選んであげることにより、一人で読書をする習慣がついてくるのだと思います。
読書好きになる環境を作る
子供に読書の習慣をつけさせるには、レベルに合った本を選ぶ事とともに、静かに、リラックスして本を読める環境を作ってあげることも大切です。
私は、アメリカの小学校の教室である光景を見て驚いたことがあります。
教室の一角に読書コーナーがあり、そこで子供達が寝転んだり、ソファに座ったりと自分の心地よい体勢で本を読んでいた事です。
「なんと自由な!」と衝撃を受けました。
そして、子供達の楽しそうな様子を見て、自宅でもこういう場所を作ってあげたいと思いました。
というわけで、我が家では、子供達がまだ低学年の頃は、部屋に「読書スペース」というものを設けました。
子供用の小さい椅子を置いたり、クッションを置いたりと、子供達がゆっくりと本を読めるスペースを設置し、その側に子供達のレベルに合った本をさりげなく置いていました。
子供達はそこでリラックスしながら本を読んでいました。
まとめ
自力読みが始まったばかりのころは、難し過ぎない、レベルにあった本を選ぶ事が重要ですね。
そうする事で、一人で本を読む楽しさに気づき、読書の習慣がついてくると思います。
「子供のレベルにあった本の選び方がわからない」という方は、ぜひ上の方法でレベル選定をしてみてください。
(ある程度読む力がついたら、そこまでレベルを気にしなくてもよいかもしれません。)
また、子供が静かに、ゆっくりと本を読める場所を作ってあげる事も大切だと思います。