



我が家の長男は現在高校1年生。
最近は、学校で大学進学についての話が増えたようで、大学について真面目に考えるようになってきました。
帰国子女でバイリンガルな長男は、今のところ、大学受験は、日本の大学の英語系AO入試、または海外大学の入試を受ける予定です。
入試に向けて、これからSATやTOEFLなどの試験を受けていく予定ですが、それにプラスしてAPテストも受けることにしたようです。
APテストに関しては、知らないことが多いので、今回調べてみることにしました。
この記事では、アメリカの大学進学に有利と言われているAPテストについて調べたことをシェアします。
我が家の長男は、年長〜小学4年生までをアメリカで過ごした帰国子女です。 帰国後5年が過ぎていますが、英語を日常的に使う中高一貫校に通っているため、今でも日本語よりも英語の方が強い状態です。 そんな彼は、現在高校一年生。 大[…]
AP プログラムとは?
APとはAdvanced Placementの略で、大学の一般教養レベルの勉強ができる高校生用のプログラムです。
SATと同じく、アメリカのカレッジボードが提供しています。
アメリカの高校では、成績優秀者向けのAPコースを設けている学校も多く、生徒はこのコースを受けた上で、5月に行われるAPテストを受けます。
AP プログラムでは、以下の38コース(7教科)が用意されています。
Art
- AP Studio Art: 2-D Design
- AP Studio Art: 3-D Design
- AP Studio Art: Drawing
- AP Art History
- AP Music Theory
English
- AP English Language and Composition
- AP English Literature and Composition
History and Social sciences
- AP Comparative Government and Politics
- AP European History
- AP Human Geography
- AP Macroeconomics
- AP Microeconomics
- AP Psychology
- AP United States Government and Politics
- AP United States History
- AP World History: Modern
Interdisciplinary
- AP Capstone Diploma Program
- AP Research
- AP Seminar
Math & Computer Science
- AP Calculus AB
- AP Calculus BC
- AP Computer Science A
- AP Computer Science Principles
- AP Statistics
Science
- AP Biology
- AP Chemistry
- AP Environmental Science
- AP Physics 1
- AP Physics 2
- AP Physics C: Electricity and Magnetism
- AP Physics C: Mechanics
World Languages and Cultures
- AP Chinese Language and Culture
- AP French Language and Culture
- AP German Language and Culture
- AP Italian Language and Culture
- AP Japanese Language and Culture
- AP Latin
- AP Spanish Language and Culture
- AP Spanish Literature and Culture
CollegeBoard| AP Course & Exam pagesより
APコースを受けるメリットは?
APコース(テスト)を受けることによって得られるメリットはいくつかあります。
アメリカの大学入試に有利になる!
APコースを受講したということは、「難易度の高いクラス」(The most rigorous courses)に挑戦したという証明になります。
そして、5月に行われるAPテストの結果によって、大学の一般教養レベルの学力があることを示すことができます。
また、GPA(評定平均)においてもメリットがあります。
アメリカの高校の成績は、最高が4.0となります。
しかし、APコースの成績の場合は5.0が最高となり、それによりAPコースで好成績をとると、評定平均が上がります。
GPAが4以上になる事もあり得るのです。
( APの成績が考慮されるweighted GPAの場合です。)
ただし、レベルの高い、難しい授業をとることで、授業について行けず、良い成績が取れない(GPAが下がる)場合もあるので、注意が必要です。
*独学の場合はGPAにおいてのメリットはありません。
アメリカの大学の一般教養の単位として認められる!
APコースは大学の一般教養レベルの授業なので、APテスト(5段階評価)で3以上の成績を取ることにより、大学の単位として認めてくれる大学も多くあります。
ただこれは大学により条件が異なります。
3以上で単位と認める大学もあれば、5しか認めない大学もあり。
下のサイトから、各大学のAPクレジットに対するポリシーを調べることができます。
CollegeBoard| AP Credit Policy Search
イギリスの大学を受験する際の受験資格となる!
APはアメリカのプログラムなので、アメリカの大学に行く場合のメリットが大きいですが、イギリスの大学進学を目指す際にもメリットがあります。
イギリスの大学は、日本やアメリカの大学と違い、「一般教養」にあたる過程がなく、入学後すぐに専門課程の授業が始まります。
というのも、イギリスでは、大学進学を目指す学生は、高校の段階で日本やアメリカの大学の一般教養にあたるレベルの勉強をしているからです。
そのため、日本の高校卒業資格は、イギリスの大学を受験するための「資格」としてみなされません。
日本の高校からイギリスの大学進学を目指す場合は、まず最初にファウンデーションコースという大学進学準備コースを1年間受講し、その後大学へ進学するのが*一般的です。
でも、APテスト(大学の専攻に関連する科目)で4−5の成績をとっていれば、ほとんどの大学で受験資格が認められます!
例えば;
- University of Cambridge AP Grade5を5科目。
- University of Oxford AP Grade5を3科目
- University of St Andrews AP Grade4以上を3科目。
- University of Warwick AP Grade4以上を3科目。
となっています。
APテストで優秀な成績をおさめれば、ファウンデーションコースを取らずに、直接大学で学べるというメリットがあるのです。
*IB校に通っている場合は、大学が求めるIBスコアを取得すれば受験資格がもらえます。
APテストはAPコースを受講しなくても受けられるの?
APテストは、高校でAPコースを受講した生徒が受けるのが一般的ですが、APコースを受講せずに、テストだけ受ける事も可能です。
独学で大学の一般教養レベルの勉強をし、テストを受けるのは難しいとは思いますが、自分が興味のある教科、得意な教科であれば、比較的取り組みやすいかもしれません。
ただ、教科によっては独学が難しいものもあります。
例えば、微積分、化学、物理などは、独学には向かないようです。
ちなみに我が家の長男は、歴史や政治系の教科を独学し、高2、高3でテストを受けようと考えているようです。
問題集なども販売されているので、独学でもテスト対策ができそうです。
最後に
日本ではあまり有名ではないAPテストですが、中国や韓国では受験者が多く、APテストを主催するCollege Boardのサイトには、中国人や韓国人受験者用の情報が載っていました。
日本の場合、独学でAPを勉強し、APテストを受ける場合は、国内にいくつかあるAPプログラム提供校に連絡し、そこでテストを受けさせてもらえるか確認する必要があります。
去年(2018年)日本アドバンスト・プレイスメント推進協議会が設立されたので、これから徐々にAPプログラムを提供する学校が増え、APテスト情報も増えていくかなぁと期待しています。